短歌文学の世界で優れた功績を挙げた人に贈られる若山牧水賞の授賞式が、30日、宮崎市でありました。

若山牧水の母校である日向市立坪谷小学校の児童たちによる歌の朗詠で始まった授賞式。

今年度の若山牧水賞を受賞したのは、三重県在住の高校教師で、短歌結社「未来」の編集発行人の大辻隆弘さん(64歳)と、東京都在住のタクシードライバーで、短歌結社「心の花」の編集委員の高山邦男さん(65歳)の2人です。

大辻さんの受賞作「橡と石垣」は、日常の何気ない風景を繊細に描写した点が評価されました。

一方、高山さんの受賞作「Mother」は、認知症の母との生活をテーマにした歌集で、分かりやすい表現ながら引き込まれていく点が評価されました。

(受賞した大辻隆弘さん)
「私も60代になりまして、無理かなというか、二度とこれからめぐってこないだろうなという感じで思っておりました。そのような賞を、この度いただけたことを本当に夢のような気持ちで思っているのが正直の気持ちです」

(受賞した高山邦男さん)
「(若山牧水賞は)宮崎の心の拠り所というか、そういう魂みたいな背負っているんだなということをものすごく感じまして、一段とこれは大変な賞をいただいたんだなと思います」

若山牧水賞を2人同時に受賞するのは、5年ぶりです。

大辻さんと高山さんは、31日、日向市の高校を訪れ、生徒たちが詠んだ短歌を講評するほか、延岡市で記念講演を行う予定となっています。