宮崎県内各地で土砂崩れや浸水被害が発生した記録的な大雨から1週間です。
延岡市では、女性1人が犠牲となった土砂崩れの現場を専門家が現地調査しました。
延岡市浦城町では、10月23日、大雨により住宅の裏山が大きく崩れ、50代の女性が亡くなりました。
29日は、県の砂防課や延岡土木事務所などの職員と一緒に、砂防学などが専門の宮崎大学の清水 收 教授が調査のため現地を訪問。
清水教授は、斜面の近くで地層や土砂を調べたり、地形などを確認したりしました。
現場は、高さおよそ30m、幅およそ43mが崩れ、およそ1000立法メートルの土砂が流出。
清水教授によると、崩れた土砂は、もろい火山性由来の堆積物で、斜面に対して直角におよそ3メートルの深さで、崩落したということです。
(宮崎大学農学部・砂防学 清水 收 教授)
「非常に記録的な強い雨で、大量の雨水が地下に浸透して斜面が不安定になって、深いところから崩れてしまってということだと思います」
また、現場は県が指定する急傾斜地崩壊危険区域で、法面の工事が行われ、擁壁も設置されていたことから、清水教授は、こうした整備について想定を上回ることも踏まえた議論が必要だとしました。
県は、来月にも応急的な措置として、現場に大型の土嚢を設置するほか、今回の大雨で土砂災害警戒情報が出された急傾斜地崩壊危険区域内にある擁壁などを緊急点検を実施することにしています。