宮崎県美郷町の「幻の酒」復活プロジェクトについてです。
およそ半世紀前まで作られていた日本酒を復活させようというこのプロジェクト。その第一歩となる酵母の採取が行われました。
酵母の採取が行われたのは、美郷町の甲斐酒店です。
ここでは、1968年まで日本酒「いすゞ美人」を製造していました。


「幻の酒復活プロジェクト」は、この「いすゞ美人」をできる限り当時と同じ形で再現するもので、7月に産学官で復活委員会を結成しました。
こうした中、12日は、復活プロジェクトの本格始動となる「酵母の採取」が、かつて酒が造られていた蔵で実施されました。


県食品開発センターや委員会のメンバーなどおよそ20人が参加し、糸や綿棒を使って、当時使われていた道具のほか、蔵の柱や梁などから100を超えるサンプルを採取しました。


(宮崎県食品開発センター 福良奈津子さん)
「最後にお酒を造ってから結構な時間が経っているので、酵母が生きてるかどうかっていう所がまず一番ネックなんですけど。今回、皆さんにご協力いただいて確率を増やす意味で100本以上サンプリングできたので、期待したいなと思っています」

今後およそ1か月かけて、県食品開発センターで酵母の確認作業が行なわれ、酵母が確認されればプロジェクトが大きく前進することになります。


(甲斐酒店6代目 甲斐史浩さん)
「これだけの人が協力してくれるんだとお酒造りのためにうれしいです、ものすごく。みんながおいしいと言ってくれる、造って良かったと、出来てよかったと言ってくれるようなお酒ができるといいです」

順調にプロジェクトが進めば、3年後に「いすゞ美人」が復活する予定です。