宮崎県の都城市消防局では、23日からマイナンバーカードを救急業務に活用する実証事業が始まりました。
利用するのは、健康保険証の登録がされたマイナンバーカード、いわゆる、「マイナ保険証」です。
この「マイナ保険証」を救急搬送の際、傷病者の同意を得たうえで、読み取り、病院や薬局が共有しているシステムを利用して、通院歴や病歴、薬剤の処方歴などを閲覧します。
こうして、必要な情報を正確に把握することで、搬送先の病院を決めたり救急車での適切な応急処置につなげられたりできるというものです。

この「マイナ保険証」を救急業務に活用する実証事業は全国67の消防本部で順次、始まりますが、都城市消防局では、全国に先駆けて23日から始まりました。
マイナ保険証を救急業務に活用する実証事業は、まず、全国3か所の消防本部などで始まり、このうちの1か所、都城市消防局では、23日、救急隊による実演が行われました。
隊員たちは、傷病者を搬送する際にマイナ保険証を読み取る手順などを確認。
「それでは松元さんの医療情報をマイナンバーカードから読み取らせていただいてもよろしいですか?松元さん、○○病院に高血圧でかかってますかね?現在の状況からして○○病院の方に診てもらった方がよろしいかと思いますので、○○病院の方に救急隊の方から病院を交渉させていただいてもよろしいですか?」
都城市消防局は、おととしもこの実証実験を行っていて、その時は救急救命士のみがシステムを利用できましたが、今回からは、救急隊73人が対象となり幅が広がりました。
(都城市消防局警防救急課 高橋敏昭さん)
「(去年)都城市消防局の救急件数も過去最高となった。今後も増える見込みであることを考えると、正確な情報をとれるシステムが利用できると傷病者のために有効になると考える」
このシステムですが、緊急を要する場合には、同意がなくても閲覧が可能だということです。
実証事業は、県内では、宮崎市でも今後行われることになっています。