JR西日本は9月11日、神戸線や山陰本線、小浜線などの11か所で「速度制限標識の設置ミス」が確認されたと発表しました。

 ▽本来標識を設置すべきなのに設置されていない箇所や、▽設置場所が本来の地点からずれている箇所が計11か所で確認され、そのうちの一部では、「本来の制限速度より高い速度」が記されている表記誤りも確認されたということです。

■「設置すべき位置と異なる標識」や「時速5km高い速度が表記された標識」
 
 JR西日本によりますと、信号設備工事に伴い線路の必要なデータを確認していたところ、9月5日に氷見線(富山県)のカーブ2か所で速度制限標識の設置ミスが判明。
 
 緊急で管内の全ての線路を調査したところ、神戸線や山陰本線などでも、▽本来標識を設置すべきなのに設置されていなかったり、▽設置場所が本来の場所からずれていたりする設置ミスが確認され、ミスの箇所は合計で11か所にのぼったということです。

 該当の11箇所
 ▽山陰本線の嵯峨嵐山駅(京都市右京区) 近く 1カ所で設置場所にずれ

 ▽神戸線の土山駅(兵庫県播磨町)近く 1か所標識未設置

 ▽神戸線の宝殿駅(兵庫県高砂市)近く 1カ所標識未設置

 ▽小浜線の粟野~西敦賀(いずれも福井県敦賀市)のカーブ   1カ所標識未設置

 ▽越美北線  1カ所

 ▽氷見線   2カ所

 ▽高山本線  4カ所

 また、11か所のうち、氷見線と高山本線の計5か所で、本来より高い速度が記された「表記誤り」が確認されたということです。中には、5キロも高い速度が表記されていた物もあったといいます。

■JR西「誤った標識に従って運転した場合も、脱線や転覆などに至るおそれはなかった」

 JR西は設置ミスの原因として、「速度制限標識の設置を検討する際には、線路の形状や車両の性能など、さまざまなデータを活用して算定している。今回は、線路の形状にかかわるデータの取り扱いで、一部不備があり、チェックも不十分であったためと推定している」としています。

 誤っていた11か所の標識については、正しい位置への設置や表記の修正を完了したということです。

 JR西は「誤った標識に従って列車を運転した場合でも、脱線や転覆などに至るおそれはなかった」としています。