赤ちゃんを育てる家庭の災害への備えについてです。中でも、今回注目するのは赤ちゃんのミルクです。
避難する際に直面する課題、そして、宮崎県内の自治体でのミルクの備蓄状況などを調べました。
避難所に行けば、どうにかなるだろう、どうにかしてもらえるだろう
(東日本大震災を経験・渡邉恵里香さん)
「本当に今までに経験したことのないような地鳴りの音と揺れでした」
こう話すのは、2011年、茨城県で東日本大震災を経験した渡邉恵里香さん。
地震発生当時、生後11か月の長男と2人で自宅にいたところ、最大震度6弱の揺れに襲われました。


(東日本大震災を経験 渡邉恵里香さん)
「息子を抱いて、はいながら廊下へ避難をしました。赤ちゃんのオムツだったりとか着替えが入ってるようなお世話バッグを持つので精いっぱいでした。(その後)避難所に行けば、私は、当時、どうにかなるだろう、どうにかしてもらえるだろうと思って避難所へ行った」


しかし、向かった避難所は、天井が崩れ落ちていたため使えず、3日間、車中泊で過ごすことに。
長男の粉ミルクは備蓄していたものの、お湯が手に入らなかったため思うようにミルクを飲んでくれませんでした。
(東日本大震災を経験・渡邉恵里香さん)
「お湯の準備をしていなかったので、水で溶いて、子どもに飲ませました。でも、やはり飲まないんですね。この子の命を奪ってしまうかもしれないという後悔と罪悪感があった」

赤ちゃんと避難する際に直面する課題。取材を進めていくと、一部の自治体ではミルクが備蓄されていない現状も見えてきました。