施設職員も感心した中学生らの“パーフェクトな対応”とは

救助した男子中学生「2人でいて、一人が倒れてしまって、もう一人が立てなくて困っていて、そこで助けた」

3人は、女性を抱き起こし、近くの公園まで案内した後、女性らが入所する施設の職員を呼びに行きます。中学生らは「一人が後ろで支え、別の一人が腕を持って、もう一人が脇を抱えた」と説明してくれました。正面と背後に分かれて1人が腰を持つといった分担しての対応により、ケガについても転倒した時の打撲だけで済んだのではないかとしています。

現場を案内する中学生ら

救助した男子中学生「学校でもし、そんなことが起きたらというのを道徳で習っていて、それを活かしてやりました」

女性らを助けた2日後、施設から生徒と生徒が通う兼六中学校に感謝の言葉が贈られました。学校によりますと、今年度は地域からお礼が届く事例が相次いでいると話します。それには、学校で行っている独自のカリキュラムに秘密がありました。その一つがレジリエンス教育です。

施設職員から感謝される生徒(10日・兼六中学校)

兼六中学校 教育相談担当 冨田佳寿子・教諭「心の教育と言っているんですけど、その中のひとつで、特に兼六中で力を入れているのが、レジリエンス教育というのをやっています。学活の時間を通してカリキュラムを組んで心の教育を行っています」

学校では、「道案内」や「手伝い」などの生徒の善い行いを感謝する張り紙があったり、グループワークではみんなの良い所を認め合うといった取り組みが行われていました。

「兼六ぽかぽかストーリー」として生徒の善行を掲示

レジリエンス教育により「ありのままの自分を肯定する」自己肯定力や「困難に打ち勝つ」強い心を育てます。学校によりますと、昨年度の学力調査では「自分ならできる」という達成感につながる「自己効力感」が、全国と県内の平均より高い結果が出ています。

学力調査によると…

兼六中学校の冨田教諭は「生徒が色んな人に支えられているということを感じると言う事、生徒自身も自分は価値があると感じる、心の教育で楽しく学校生活を送るのが目的」と話していました。

子どもの心に寄り添った取り組みは、高齢者を救ったお手柄中学生の活躍につながっているようです。