
金沢のど真ん中で110年。
明治時代に創業し、業態を変えながら地域に愛され続けた店が5月31日、
最後の営業日を迎えました。

客…
「涙でるね~
何十年も前から、うちの父親の代から」
「何にもできんけど顔見にきた」
「さみしいですよ もう」
兼六園ほど近くに位置するコンビニエンスストア
“リカー&コンビニエンスKUBO(くぼ)”
110年の歴史に幕を下ろします。
久保和子さん…
「百万石行列の時、これ家です。」

Q.何年くらい前?
「何年前だろう?私が(金沢に)来る まだ前の写真。」
Q.ここに嫁いで何年ですか?
「もう50年」
50年前、富山県から久保家に嫁いだ和子(かずこ)さん。
もとは明治に創業した酒と自転車の店を
33年前、当時まだ珍しかったコンビニへと変えました。
久保和子さん…
「昔、給食なかった。中学生がずらっとあっちの方まで並んだ
本当は“買い食いしたらいかん”って学校で言われてる。
こそこそっと隠れてこうやって見ながら…思い出すとね。」
時代の流れの中で、
店の将来について考えることが増えたという和子さん。

久保和子さん…
「年も年やし、もうそろそろって思いもあったけど
主人がもう2階で生活できないと思った。
もうそれで吹っ切れた。」
夫婦二人三脚で50年、
夫・聰(さとし)さんの入院が閉店を決めた一番の理由でした。
業者…
「雑誌を納品してまして、長いことお世話になりました」
客…
「さみしいです、若い頃から利用してたので」
最後の営業となった、31日。
常連客が名残を惜しむように次々と来店していました。

久保和子さん…
「最後なんかね、さみしいような…まだ続いてるから。
本当にここを離れる時が最後かな。」