行方不明者の捜索や犯罪捜査など様々な現場で活躍している警察犬は、石川県内で年に一度審査会が行われ、選ばれています。この春、県内では初めてトイプードルの警察犬が採用されています。かわいらしくてとってもかしこい、警察犬のニューフェイスです。
指示に従い、柵を飛び越え…ヒトの匂いを覚えて探す!去年10月の審査会で見事合格し、今月1日付で警察犬に採用されたオスのそらくん(9)です。
嘱託警察犬は警察からの要請を受けて出動し、去年1年の出動件数は118回にのぼります。このうち、行方不明者の捜索が117件、犯罪捜査が1件となっています。
県警察本部鑑識課・福井太一次席
「犯人や証拠品の発見といった『鼻の捜査官』としての活動、行方不明者の捜査現場などに積極的に出動してもらいたいです」
飼い主の樋敷美咲さんと遊ぶことが大好きなそらくんは、県内初のトイプードルの警察犬です。県警察本部は、日本警察犬協会が指定するシェパードなど7犬種に絞って警察犬を嘱託していましたが、2014年度以降この縛りを無くしました。
県警察本部鑑識課・福井太一次席
「小型犬の方が適している環境もあるので状況に応じて積極的に出動してもらいたいです」
ここは樋敷美咲さんが働く津幡町の介護施設。そらくんと樋敷さんは週に4回ほど自主練習に励んでいますが、月に1回程度は施設で利用者に見守られながら訓練を行っています。ここで毎回取り組むのが審査会で行われている臭気選別です。イヌは人の匂いを染み込ませた布を嗅いで、設置された5種類の布から同じ匂いのするものを当てます。
樋敷美咲さん「おばあちゃんのにおいやね、おばあちゃんのにおいあてるよ」
正解はこちら。
そらくんから見て一番右の布です。
そらくんの飼い主・樋敷美咲さん
「たくさんの人の前でするということはそらの集中力も付きますし、若い人からお年寄りの人までの匂いを貰って、お年寄りは自分の匂いをあててもらうとすごく喜んでいます」
そらくんを見守る利用者は…
「カワイイ本当に、孫みたいなもんです」「利口な子です、だんだん上達しています」
樋敷さんとそらくんの訓練の様子を見つめるのは、日本警察犬協会公認の訓練士の資格を持ち、自らも警察犬の指導手として活動する赤崎美香さん。モットーは「楽しく」です。
警察犬訓練士・赤崎美香さん
「強い子、噛む子だからこれをまず直さなきゃねというところからスタートでした」
実は、家族にまで噛みついてしまうほど凶暴だったそらくん。赤崎さんがそらくんに出会ったのはおととしの夏、樋敷さんがそらくんのしつけをし直すため赤崎さんに相談したことがきっかけでした。
そしておととしの秋、訓練を通して信頼関係を築こうと警察犬を目指します。赤崎さんと樋敷さんとそらくん。2人と1匹で訓練に向き合い、去年秋の審査に合格することができました。
訓練士・赤崎美香さん
「合格したことって本当に飼い主さんの努力だと思っています。そらもそれに応えようと思って頑張るようになりました。頑張りで警察犬になれたんだと思います」
そらくんの飼い主・樋敷美咲さん
「今後はそらの能力や才能を生かして一緒に社会貢献出来たらなと思います」














