国土交通省の有識者委員会は12日、令和6年能登半島地震で倒壊した石川県輪島市の7階建てビル「五島屋ビル」について、基礎部分のくいの先端が壊れたことなどによって倒壊した可能性があるとする最終報告書を取りまとめました。

石川県輪島市の中心部に1975年からあった「五島屋ビル」は、鉄筋コンクリート造りの地上7階建てで、2024年1月1日の令和6年能登半島地震で片側が大きく沈み込んで横に倒れ、隣りの飲食店が下敷きとなり、この飲食店主の妻子2人が死亡しました。

国土交通省の調査を基に有識者委員会が原因を分析した報告書によると、ビルの建設時はくいに関する耐震基準が導入されておらず、揺れに対する抵抗力が弱かったと指摘しています。

また、大きな揺れでくいが壊れたことに加え、ビルの柱の配置が偏っていたことで重量が特定部分に集中し、地盤の弱さも影響するなど、複合的な要因で倒壊したと推定しています。

国土交通省は、くいに関する耐震基準を導入した2001年以前の建築物について、安全確保策を今後検討します。