「多頭飼育崩壊」という言葉を知っていますか?
多頭飼育崩壊とは、犬や猫が繁殖を繰り返し増えていくことで飼い主だけでは世話ができなくなることです。
ネコは生まれてからわずか半年で発情期が始まり、交尾をするとほぼ100パーセント妊娠、1回につき4~5匹の子猫を生むという強い繁殖力をもっています。つがいのネコが年に3回出産し、半数がメスであった場合子猫たちがさらにつがいとなり、それを繰り返すことで1年後には78匹まで増え、3年後には2000匹になるということです。
能登半島地震から1年9か月、被災地でも行き場を失ったネコが問題となっています。今、そのネコたちはどうしているのか。多頭飼育崩壊について考えます。
地震発生から1年9か月…今も相次ぐ“ネコの保護依頼”

「ペットのおうちののいちシェルター」。能登半島地震が発生した翌月の去年2月にできたこちらの施設には、60匹のネコが保護されています。
こねこサポーター 角谷亜紀 代表
「輪島、輪島、中能登、美川、輪島…笹川、輪島」「震災があってそこからネコの依頼がすごく多くて。避難せなあかんしここにネコおるけど、私ら金沢の方に出んなんさかい連れてってくれんかとか。家にネコ集まってくるけどそのネコたちはうちのネコじゃないから連れてってほしいとか」

運営するNPO法人で代表を務める角谷亜紀さん。他のスタッフとともにボランティアで保護ネコの世話を続けてきました。

こねこサポーター 角谷亜紀 代表
「焼け野原の中から保護されたネコちゃん」
こちらのネコ、名前はドラ。以前は輪島朝市のアイドル猫でした。地震後の火災で住処を奪われ、現在はこの施設で暮らしています。

こねこサポーター 角谷亜紀 代表
「ドラ君にすれば7キロほどあった体重が3キロになるくらいお、腹すいとったんやろうね。ビクビクしながらおって…今では自分の家より家っぽいですよ。家なかったんでこの子」
ののいちシェルターに保護されるネコは年間およそ400匹。経費は治療費や手術代だけでも年間900万円かかりそのほとんどは寄付金でまかなっています。