【枝や葉に寄生、汁を吸い】
チュウゴクアミガサハゴロモは人間を噛んだり毒を持ったりはしていないため、人体に影響はありません。しかし、各地で農業被害が報告されていることから、農家や庭木を持つ家庭では注意が必要です。
病害虫防除室 加茂川えりさん「幼虫や成虫が葉や枝に寄生して、汁を吸うことで被害が発生します。特に新しい梢を好むため、被害が集中すると枝や木をダメにしてしまう懸念があります。」
産卵場所が一所に集まるとそこで孵化した幼虫が卵付近の枝などを集中的に吸うことで樹勢が弱まり、場合によっては枯れてしまうなどの被害が危惧されます。

【成虫になると、さらに厄介!?】
さらに、成虫になると飛び回ることからフンによる被害が拡大します。チュウゴクアミガサハゴロモは甘い汁が混じった液体状の排泄物を出します。その排泄物にカビが生え、植物の葉や実が黒いすす状になる「すす病」を発生させたり、果実や樹木、花などに付着することで商品価値の低下を招いたりします。排泄物はシロップ状のため、取り除きにくいという難点もあります。
他県ではチュウゴクアミガサハゴロモが大量に卵を産んだことによって枝が折れるなどの被害も確認されています。

また、チュウゴクアミガサハゴロモは雑食のため、ブルーベリーやオリーブなどの樹木の他、庭の木や街路樹なども被害に遭うため、影響は農家だけにとどまりません。