条例で違法採掘を抑止しても守られない現状…

小松市は古くから地下資源が豊富で、主要な鉱山として今回の現場にほど近い金平金山の他に、尾小屋鉱山、遊泉寺銅山で採掘が行われてきましたが、安い海外産の金や銅が国内に流入したことで、いずれも1970年代までに閉山しました。

こうした歴史を踏まえ、市は独自の石文化が日本遺産に認定された2016年に、違法採掘の抑止などを目的に条例を制定しました。

小松市文化振興課・下濱貴子担当課長「小松市では2016年に「珠玉と歩む物語小松」ということで日本遺産の認定を受けている。日本遺産のPR、鉱物や地下資源の発信だけではなく、未来へ継承するためにこの条例を制定しました」

ただ、条例には罰則がなく、こうした抜け穴が今回の事故に結びついているともいえます。

金平町町内会長・出口重隆さん「今後、こんなことされたら困る。やっぱり何か(対策を)決めてほしい。下と上に立ち入り禁止の看板を立てれば。今度相談する。」

再発防止策について、宮橋勝栄市長は検討していく考えを示しています。

小松市・宮橋勝栄市長「様々な鉱物があるというのはもとより分かっている地域であり、愛好家が立ち入っているとは以前から見聞きしている。私有地なのでもちろんまずは地権者の意向が大事。その中で地元や警察と協力しながら何ができるのか今後検討していきたい。」

警察は、土砂崩れで大けがをした20代の男性にも事情を聴くなどして、不法侵入などの行為について当時の状況を調べています。