コロナ禍で変化…現代のメイク事情
田川さんは、2020年以来、テスター(店頭見本)の禁止などで、無料で触れるものが少なくなり、メイクを学ぶということがなかなか難しくなってきたと話します。
こうした中、「メイクの学び場」として学生から多く聞かれたのが「YouTube」。ネットを使ってメイクを学ぶ人が増えています。
学生
「学びやすいし、わかりやすくて真似しやすい」
「実際に自分でやってみて、自分に似合うなと思ったら、それをいつもやる」
「好きなインフルエンサーなので、その顔になれることが良い」
学生から「よく見ている」と声があがったのは、YouTubeでメイクなどの動画を投稿する、人気YouTuber「ふくれな」さん。チャンネル登録者数は9月現在で185万人を超えています。

現代版メイクレッスン…ネット動画を見ながら学ぶ人たち
私の友人にも、実際にYouTubeで動画を見ながらメイクを学ぶ人がいました。中嶋紗希さんです。動画でメイクする方法を見せてもらいました。
ふくれなさんのYouTube
「付属のチップを取って、一番濃い色を、目尻3分の1に塗っていきます」
スマートフォンの動画を横目に、鏡に映る自分の顔にメイクを施す中嶋さん。

ふくれなさんのYouTube
「ルージュRD-1番 こんな感じの赤い...」
中嶋さん
「赤か、赤いリップか…」

動画で使われる「赤のリップ」を持っていない中嶋さん。慌てることなく、ふくれなさんが使う「赤のリップ」に近い色を探します。
記者
「同じメイク道具を持っていなくてもいいの?」
中嶋さん
「統一感や雰囲気が合えば良い。その人(YouTuber)と私は違うし、似合う色や顔の形、パーツは違う。取り入れられる所は取り入れつつ自分流にアレンジすることもある」
ネットには、いろいろなメイク動画があるので、自分に合った方法を選ぶことができます。
中嶋さん
「自分の顔が近いYouTuberを探したりする。二重なら二重、私はつり目だから、つり目の人を探したり。いっぱい発信する人がいるからできること」
YouTubeでメイクを学ぶことについて、人材育成講師の田川ひとみさんは
「選択するのは自分なので、たくさんある中で何を選ぶかは大切かもしれません。YouTubeで学ぶこと自体は間違いではないと思っております」と、新しい学び方を評価します。
こうした流れをうけてデパートの化粧品売り場でも「メイク動画」や「ライブ配信」などネットのメイク教室を取り入れて、専門知識を伝えようという試みが増えています。
取材後記…新人記者が感じた“学びの場”
社会ではマナー化されているということもあり、ノウハウを身につけるにはしっかりとした「学び」が必要と感じる人が多いメイク。しかし、ほとんどの場合、学びの機会は自ら行動しないと得ることができません。
そして「正解がない」のがメイクの最も難しい点だと感じました。ひとりひとりの顔は違うから、その顔に合うメイクも違う。みんな練習を重ねて、「自分の中での正解」を見つけているのではないでしょうか。

こうした中で聞かれた「YouTube」は、多くの動画から「自分に合うやりかた」を何度も繰り返し練習できるので、「自分の中での正解」にたどり着きます。メイクの学び場として理にかなっているように思えました。
私もきょうから、YouTubeでメイクを学んでみようと思います。