復旧に15年…文化の継承、途切れさせたくない
復旧までに15年はかかるとみられます。時国さんは現在、73才。元気なうちに、元に戻った姿が見たいと言います。
時国健太郎さん
「10年から15年で復元するというような話をちらっと聞いたんですけども、今残された映像から、できるだけヒントを集めて、設計に引き渡そうかなと思ってます。」
建物や美術品などの文化財を個人が維持する場合は、費用や手間が重くのしかかります。代替わりに伴う様々な事情で、文化財を自治体に寄贈したりするケースが多くあります。
しかし、時国さんは、寄贈することは考えていません。
時国健太郎さん
「建物、古文書、文化を引き継ぐ人、この3つがそろって初めて文化は継承されていくもの、行政に預けてしまうということは、引き継ぎ手がいないことになり、文化は引き継がれないのではないかと思う」

この写真は、時国さんの息子・正貴さん、と孫の朔太郎くんの2人が5歳の時に行った家の伝統行事「着袴の儀」(ちゃっこのぎ)です。
袴を身に着け碁盤の上から飛び降りて、子供の健やかな成長を願うもので、宮中で行われているものが、各地に広がったとされています。
今回の地震で、ずっと使われてきたこの碁盤も建物の下敷きに。
伝統行事は出来なくなってしまいました。

田の神様を自宅に招き、豊作の感謝と願う「あえのこと」、
時国家でも行われてきましたが、こうした伝統行事もできない状態です。