上時国家が守ってきた伝統と文化

時国さんの父で、先代の当主・恒太郎さんは、裁判所の調停員や土地改良区の理事長をつとめ、輪島市町野町の発展に力を尽くしました。

上時国家二十四代当主・時国恒太郎さん

1969年にMROが制作・放送した番組には、恒太郎さんが大切にしていたというからくり人形が動く様子が、収められています。上から下に人形が階段から降りる姿は愛らしさが残ります。

所蔵品のからくり人形 MROライブラリー映像より

先祖・時忠への墓へは、当時、家で雇っていた人たちが、担ぐ籠に乗っていくシーンも再現されています。

かごに乗って平時忠の墓へ向かう MROライブラリー映像より

からくり人形やかご、子ども用のキリコも倒壊に巻き込まれてしまいました。今では、見ることや再現そのものが出来ないものばかりです。

時国健太郎さん
「大体は陳列用のガラスケースに入ってるんですけども、ケースごと押しつぶされてるんじゃないかなと思う。ちょっとどうなってるかわからないです。」

天井が高いためキリコ(子ども用)もそのまま保管できる。左上には“かご”がつるされている MROライブラリー映像より

家の内部は、復旧しようにも詳細な設計図があるわけではありません。時国さんはこれらの映像は、復旧作業にかかわる人たちに確認してもらい、役立てたいと話します。