被害女性「ショックで腹立たしい」

事件は翌日の3月21日にも起きました。
検察側は、被害に遭った40代女性のBさんへの聞き取りで「ボランティアに参加する人でそんなことする人はいないと思っていた」とBさんの心境を述べました。

検察が読み上げたBさんの証言です。
「被告人と同じグループでボランティアをした。活動中に会話はなかった。ボランティア終了後、ベースキャンプまで戻るバスに乗った。バスの後ろには蛍光イエローの服を着た人が座っていると思った。バスが出発し窓枠に右ひじをかけ、うとうとしていた。10分ごろ経った頃、右わきの下に何かがあたっている感じがした。勘違いかな、と確認せず、うとうとした。一瞬、『痴漢ではないか』と考えたが、被災地のボランティアに訪れるのは善良な人ばかりで、そんなことするはずないと思った。左手で自分を抱えるようにした、すると左手の指を触られた。理解できず、右後方を見た。黄色の服がごそごそと動いていた。触られていたと確信した」

その後Bさんは、宿泊所のスタッフに相談しますが、当時の心境を「ショックで腹立たしい」と検察に語ったとしています。

検察が読み上げたBさんの証言です。
「宿泊所でボランティアスタッフに相談した。被災地の力になりたい、ボランティアのみんなもそうだと思っていた。ショックで腹立たしい」

金沢地裁

一方、被告は、弁護士からの被告人質問で、犯行当時「気づかれていないと思っていた」と述べました。

被告が明かした経緯です。
「外を見ていると、Bさんが寝ているように見えて自分の気持ちが動いた。Aさんと同じようにBさんの座っている座席と窓の間に手を差し入れ体を触った。伸ばした右手に強い感触があった。『気付かれたくない』その後はもう一度だけ手を伸ばしたかもしれないが、それ以降はなかったと思う。気付かれていないと思っていた」

事件について被告は、淡々とした口調で「申し訳なかったと思っている」と述べました。