輪島市内に44ある旅館や民宿のうち、少なくとも5軒は建物が全壊するなどして廃業。支援者を受け入れるため、早期の営業再開にこぎつけた宿もある一方で、20軒の施設は今も再開の見通しが立っていません。

再建に向けて、建物の解体を決断した旅館もあります。

輪島温泉八汐・谷口浩之常務「ようやくようやくスタートラインが、遠くの方に見えそうなところまで来たなっていう実感」

1959年創業の「輪島温泉八汐」は地震で館内の天井がはがれ落ちるなどの被害に見舞われましたが、罹災証明のための一次調査では、公費解体の対象とならない「一部損壊」と認定されました。

納得がいかなかった谷口さんは、市に再調査を依頼。

4か月待ち続けた末、6月ようやく行われた再調査で判定が「中規模半壊」に引き上げられました。

輪島温泉八汐・谷口浩之常務「公費解体ができるので、ようやく再建への一歩を進むことができそうかなって感じで」

ただ、地震で旅館の裏山が崩れ、安全が確認されないことには、この場所での再建は難しいといいます。

輪島温泉八汐・谷口浩之常務「できたらこの場所でとは思っているが、安心して客がゆっくり過ごせる場所なのかという所を見極めてからやらないと…」