「4コマ漫画は雑誌のすみっこが定位置。私にとっては居心地の良い場所です」こう話すのは、高知県在住の漫画家・村岡マサヒロさん(47)。手掛けた漫画は6000作ほど。高知ではおなじみの漫画家の根っこにある「すみっこ哲学」とは。
「締め切りは、毎回前日」4コマ漫画を描き続けて20年
2024年1月3日の高知新聞に、こんな4コマ漫画が掲載されました。男の子が、お正月にもらったお年玉を『被災地の支援にまわしてほしい』と願う内容です。

この漫画の作者は、村岡マサヒロさん。2004年から毎日、何気ない日常をユーモラスに切り取った4コマ漫画「きんこん土佐日記」を連載し、作品は6000話にのぼっています。
▼村岡マサヒロさん「漫画家にもいろいろなタイプがありますが、私はネタを考えるのが好きで、どんどんアイデアが浮かぶ。だから長編のストーリー漫画というよりは、4コマの漫画が性に合っているんですよね」
「きんこん土佐日記」は家族の日常が土佐弁のやりとりで描かれています。村岡さん自身、4世代家族のもとで育ったことから、祖父母直伝の、今ではあまり使われなくなった懐かしい響きの方言も頻繁に登場。心がほっこりする、そんな癒やしの漫画が人気を集めています。

ただ連載となると締め切りに追われる毎日。さぞかし精神的な負担も大きいのではと思いきや、村岡さんにとってはそれも全く苦にならないといいます。
▼村岡さん「タイムリーな情報を反映させたいので、締め切りは毎回、前日です。むしろ締め切りに追われている方が集中できて、一瞬でネタができたり。時には、旅先で描くこともあります。気づいたら20年経っていました」
ともすれば見過ごしてしまうような日常の何気ないことでも、発想や表現の仕方で面白くなる。「四季折々の要素も入るので、ちょっと俳句に似た部分もありますね」そう笑う村岡さんにとって、忘れられない出来事がありました。













