19世紀末、一躍“時の人”となったビアズリーだが、幼い頃から患っていた肺結核によって、体は着実に蝕まれていった。晩年は、結核の発作が出ていた中で制作を続けていたという。

そして彼は「25歳」という若さでこの世を去った。その生涯は短かったが、多くの刺激的な作品を遺し、大勢の人に影響を与えた彼の「人生そのもの」も、人々の心に訴えるものがある。

巡回展として東京・福岡に次いで開催されている「異端の奇才 ビアズリー展」は、今回の高知が最後の会場だ。終了後、作品は日本を離れ、イギリスに返還される。

▼高知県立美術館 栁澤宏美 学芸員
「これだけたくさんのビアズリーの作品がまとまって見られるのは、大変貴重な機会。彼の故郷・イギリスに行っても、ここまでまとまって見られるものではないので、この機会に実物を見てほしい」

「異端の奇才 ビアズリー展」は、2026年1月18日まで、高知県立美術館で開催されている。「異端の奇才」が生み出したグロテスクで美しい作品の数々に、触れてみてはいかがだろうか。