先の大戦で、生後7か月で父親を亡くした80歳の女性がいます。父のことを覚えておらず、長年「遺品を見ても何も感じなかった」という彼女は今、遺族会の会長として戦争の記憶を継承しているほか、戦争を経験していない世代を集めた団体も発足させるなど「次世代」の継承活動にも取り組んでいます。
公益財団法人「高知県遺族会」の会長を務める大石綏子さん(80)は、1945年1月25日、旧満州の牡丹江省で生まれました。
生後は満州で過ごし、終戦1か月前に母に連れられ日本に帰国していましたが、陸軍軍人だった父、幸一郎さんは、終戦前夜の1945年8月14日に中国で戦死しました。

◆高知県遺族会 大石綏子 会長
「日本に帰ったのが生後6か月の時でしたので、何にも覚えていない。ただ、写真が残っていますので、私は運よく『父には抱かれた』という事実はあるんだなと...私は自分で思えるんですよ」
◆高知県遺族会 大石綏子 会長
「他の遺族の人たちは『私たちは父に抱かれたこともない』とか『父が出兵してから私は生まれた』という人がたくさんいるんです。だから私は『運がよかったな』って思っています」










