高知県内の建設業界では、技術を継承していく若手人材が少ないことが課題となっています。こうしたなか、人材の確保に向けて本格的に新卒採用に乗り出した安芸市の建設会社を取材しました。
安芸市の梶原建設、主に公共工事などを手掛ける建設会社です。1981年設立、40年以上の歴史の中で初の試みが行われていました。

会社としては初となる新卒採用に向けたパンフレットづくりです。梶原建設が本格的な新卒採用に乗り出したのは2024年のこと。現在抱える従業員のほとんどが40代以上で将来を見据えたとき、焦りを覚え始めたといいます。
(梶原建設 小松菖武 取締役)
「技術職の人たちがリタイアする年が近づいているので、技術を次につなげていけたら」
手始めに2024年、高知高専で行われた企業説明会に参加しましたが、他の企業に圧倒されたといいます。
(梶原建設 小松菖武 取締役)
「僕らは何もない机とイスでやって他社は何回も参加しているからか豪華な装飾品で・・・」

2025年はより多くの学生の印象に残れるように、会場の装飾にも力を入れます。見た目だけではなく仕事内容をイメージしてもらえるような準備も。
(梶原建設 小松菖武 取締役)
「去年より三次元の設計データとか最先端系を入れるようにした。これが今の時代の主流になるので」
今回募集する職種は技術士。リーダーとして現場を管理する仕事です。実際に技術士として働く伊吹(いぶき)さんは、公共工事という業務の性質上持続可能な企業にしたいと話しています。

(梶原建設 伊吹正人 主任)
「工事をすることで地域の人が安心して暮らせる環境づくりを進めている。ぜひとも若い世代の人が入ってともに働いていきたいですけど・・・」
採用活動で悩まされているのは梶原建設だけではありません。県が2025年の夏に県内の建設会社141社を対象に行ったアンケートでは、7割の会社が「技術者を採用したいが応募がない」と回答しているということです。
迎えた高知高専での企業説明会。人材をいかに自社に呼び込めるか。各企業が趣向を凝らして学生にアピールしていきます。梶原建設は、ブースの装飾も去年より華やかに。まずは名前を覚えてもらうことを目指します。

学生の目を引いたのは今年初めて用意した三次元設計データです。
(学生)
「これは道ですか?」

(梶原建設 小松菖武 取締役)
「そう、そこが谷で水が流れゆうところがあってきれいに整備する」
(学生)
「ネットで調べたりとか、誰かから聞く情報よりも、実際に働いてくれている人たちの意見を聞いて働くことのイメージが具体的になった気がしました」
「建築系に興味があったが実際に触れて土木も面白そうだと思った」
(梶原建設 小松菖武 取締役)
「やってみたいっていう子もおって、ぜひやってほしい。直接自分の手で触って動かすというのがウケたからよかったなと。待ちよってもいかんき、直接言うてちょっとでも気に留めてもらえれば」













