14歳という若さで、危険な輸送任務に参加した95歳の男性の話をお伝えします。
「船乗りになれば世界中のいたるところに一番乗りで行ける」と思っていた男性ですが、海で目の当たりにしたのは“死”と“恐怖”でした。器用な手つきでワイヤーを縒るのは高知県四万十市に暮らす(あんどう・よしとも)さん。2025年の3月に95歳になりました。

安藤さんが家族に頼まれて作るワイヤーは、岩などを縛るために使われているそうですが、この作業は戦時中、船員の養成所で習ったといいます。

安藤さんは1930年=昭和5年3月、現在の高知県四万十市西土佐で生まれ、叔父・叔母と暮らしていました。
しかし、終戦も近い1944年になると、戦争の影は戦場から遠く離れた地方で暮らす子どもたちにまで忍び寄っていたのです。