おかねさんが住んでいた地岩井谷へ


岩井谷へ続く道は細い山道を進むため、富貴さんの旦那さん、寿(ひさし)さんに先導してもらうことに。

尾﨑寿さん


(富貴さん)
「おかねさんはさっきいたところに奉公に歩いてきていた。夜が明ける前に岩井谷を出て、到着する頃には日が昇っていてみんな仕事を始めている状態。おかねさんはそこからすさまじいスピードで仕事をしてみんなより先に帰っていくけど誰も文句を言わない。人より何倍も仕事をしていたから」


向かう途中、富貴さんがおかねさんの逸話の残る橋を教えてくれた。

出合橋


(富貴さん)
「この近辺でおかねさんが荷物を積んだまま馬ごと抱えた。『お殿様どうぞお通り下さい』と。お殿様はおかねさんをすごく気に入った」


再び岩井谷を目指す。ここからは細い山道が続いていて人の住んでいる気配が無い。

細い山道が続いていて人の住んでいる気配が無い…
「岩井谷はもう人が住んでいない状態に?」(ディレクター)


(富貴さん)
「だいたい50年位前から(岩井谷は)人が住んでいない」


何度も岩井谷を訪れている富貴さん。どうしても見つけたい場所があるという。それは、おかねさんが住んでいた「おかね屋敷」。

おかねさんが住んでいた「おかね屋敷」を見つけたい


(富貴さん)
「おかね屋敷には『おかね石』という大きな石があって、その庭石は下川口の海から岩井谷まで一人で持ってきたという。謎ですよね、どうやって持って(石を)帰ったのか。ピラミッドと同じくらいの謎やね」

下川口から岩井谷までは(現在の道で)約10Km

岩井谷に到着。

岩井谷に到着
岩井谷
岩井谷


岩井谷はかつて林業で栄えていた集落で、多くの人が住んでいたが、徐々に住人が減少。今は、営林署と思われる建物の基礎や…

営林署跡


崩れかけた廃屋。

崩れかけた廃屋
崩れかけた廃屋


そして、神社が残っているだけである。

神社


(富貴さん)
「昔は商店みたいなものもあって、映画館もあって、この山の中に町があった」


その後も、『おかね屋敷』の手がかりを探すが見つからず、捜索は断念。

『おかね屋敷』の手がかりは見つからず捜索断念


富貴さんは、どうしてここまで、おかねさんを追いかけているのか?

富貴さんはなぜおかねさんを追いかけているのか?


(富貴さん)
「おかねさんを有名にしたい。こんなに面白い話なのにあまり知っている人がいない」

「おかねさんを有名にしたい…」


富貴さんは地元の集落活動センターで働いている。おかねさんの存在で地元に元気を取り戻したいとTシャツやエプロンなどのグッズを製作している。

おかねさんの財布に…
おかねさんのように丈夫なトートバッグや…
おかねさんのお餅「おかねもち」!
おかねむしパンも
おかねさんグッズは集落活動センター下川口家で販売中


おかねさんグッズは集落活動センター下川口家で売っていて土佐清水市に行けない人は富貴さんに直接注文することができる。



(尾﨑アナウンサー)
「おかねさんの魅力ってどんなところだと思いますか?」


(富貴さん)
「おかねさんは自慢もしないし、偉そうなことも言わなかったけど黙ってすごいことをやった。おかねさんが全国区になったらおもしろいなと。着ぐるみが作れたら入りたい(笑)。『あのおかねさんで有名なところやね』って言ってもらいたい。昔は地元にすごく人がいっぱいいた。みんな出ていってしまって…帰ってこないかなと思って。帰ってきてもらったら、またにぎやかになったら良いなと思う」


おかねさんを愛し、町を元気にしようとする富貴さん。おかねさんの姿は見えないけれど富貴さんの背中をそっと押してくれているように感じました。