高知県安芸市に古くから伝わる海にまつわる民話がアニメになり、20日、関係者が安芸市長に完成を報告しました。
この取り組みは、日本財団が進める「海と日本プロジェクト」の一環です。
海にまつわる地域の民話を、アニメにして後世に残そうと2018年度から行われています。

監督はこれまでに数々のアニメを制作してきた沼田心之介さん。

20日は、アニメの完成報告のため安芸市を訪れ、「海ノ民話のまち」認定証とDVDを横山幾夫市長に渡しました。

完成したアニメは「ナギの木に助けられた漁師」というタイトルです。

雲行きが怪しいことが気にかかった漁師が、波切不動のお堂のそばに立つナギのご神木に航海の安全を願っていると、折れかかったナギの枝を見つけました。漁師は、持っていた釣り糸で枝を補強。その後、漁に出ると沖合で突然の嵐に遭遇し、船は波にのまれて転覆しましたが、漁師はナギの木に助けられたという話です。

制作にあたり、沼田監督は、2024年、物語に出てくるナギの木がある場所を訪れ、地域の人や観光関係者、郷土史家らと意見交換を行ったといいます。

(監督 沼田心之介さん)
「今も実際ナギの木が残っているので、その印象、イメージと変わらないように、ただ、この民話の時代は、今のナギの木よりも、もっと小さい状態だと思うので、そのバランスなどを地元の方と相談しながら作っていくことに注意しました。現地に行ったときに、その「ナギ」の木ところに、看板のようなものがあって、ナギの木の由来の話も書いてあったのですが、この話を知っている人は少ないという話を聞いたので、ぜひ地元の方に、うちの町にはこういう話が伝わっていて、ナギの木あそこにある、ナギの木はこういう話が元で立っているんだということを知ってもらいながら、やっぱり海との生活、海との関係性のようなことを考えていただける機会になればいいなと思ってます」

(安芸市 横山幾夫 市長)
「私もこのナギの木のことは小さい頃から聞いて知っていましたが、やはり海と住民との関わりというのが、このアニメで一番わかってくれたらいいかなと。ぜひ、今の子どもたちにも知ってもらいたいので、学校でも上映会ができたらいいかなと思っていますし、また住民の方にも改めて、あらゆる機会、例えば市役所の庁舎のロビーや、各公民館でそういう機会があれば、ぜひこれを上映していただきたいなというふうに思っております」

「ナギの木に助けられた漁師」は「海ノ民話のまちプロジェクト」のホームページで21日から公開されているほか、安芸市では、市役所での上映にむけて調整が進められています。
