■国際大学GLOCOM 山口真一 准教授
「投稿された誹謗中傷を『見る側』も、そういった情報を見たときに、安易に『この人はこんなに悪いことをしているんだ』と一緒に叩いてはいけない。どんな情報も、発信した人の『主観』が入っていて、その人から見たら何か不満があったのかもしれないけど、ただ『それだけの現象』なんですよね。それに対して、いちいち『外野が乗っかって何かをする』ことは、するべきではないと思います。人を傷つけるような情報に、わざわざ自分から乗っかっていく必要は全く無いと思います」

このうえで山口准教授は、「今の時代だからこそ」SNSを使う人の「道徳心」が大切だと話します。

■国際大学GLOCOM 山口真一 准教授
「私がよく言っているのが『人類総メディア時代』だからこそ、当たり前の“道徳心”である『他者を尊重する』ということを、誰もが身に付ける必要がある。つまり『自分がやられて嫌なことは相手に言わない、やらない』。全員がこれを守れていたら、本来、ネット上の誹謗中傷問題なんて無いんですね」

「しかし実際には、こんな、小学生でも知っているような『道徳』が守られていないから、ネットの誹謗中傷が問題になるわけです。ですから、改めてですね、こういったことを意識しながらSNSを活用することが大切かなと思います」

山口准教授は、「子どもも大人も関係なく、自分が情報発信するときに『責任を持つ』ことが重要で、『自分が発信した情報が誰かを傷つけるかもしれない』ことを意識して使う必要がある」と主張します。

このうえで、今回の事案のような「子どものSNS利用」においては「保護者」の役割が重要だと話します。