川上真二さん

「もうお父さんダメかもしれん」浄水場にただ1人

浄水場には、大量の水が流れ込み、すでに操作・管理できる状態ではなかった。命の危険を感じた川上さんは、施設内にある電気室の2階へと避難した。

停電で暗い室内で1人、座り込んだ。その直後に土石流が押し寄せて浄水場を飲み込んだ。建物は大きく揺れていたという。

(南予水道企業団 川上真二さん)
『「命はないな」と覚悟を決めた感じですね。それで子どもたちに電話をせんといけんと思って。「もうお父さんダメかもしれんけん」「じいちゃんとばあちゃんのことよろしく頼まい」と言った』

衝撃と恐怖に耐えた1時間…。

水によって“命の水”が奪われた5年前の西日本豪雨。後編では、引き続き当時の惨状と復旧に奔走した記憶と記録をお伝えします。

【後編】衝撃と恐怖に耐えた1時間、建物には流木が突っ込み…土石流に襲われた浄水場にただ1人