
「浄水場が駄目みたい」砂防ダム全てを乗り越え…
2018年7月7日の早朝、石丸さんは電話越しに“最悪の知らせ”を聞いた。
『落ち着いた話し方の植光から出た最初の言葉は「どうも吉田浄水場が駄目みたい」でした。駄目?意味が分かりません。』
話の内容は、遠隔で監視している水道施設の運転状況を知らせるデータが届かなくなったこと、浄水場を管理する南予水道企業団の職員から、浄水場が土砂災害で壊滅的な被害を受けたと連絡が入ったことだった。
急いで支度を済ませて水道局へと向かった石丸さんは、その後、復旧対応に奔走することとなった。
断水となったのは、被災した「吉田浄水場」から水を供給している市内吉田町・三間町の2つの地域。
最大で約6,600戸、1万5,000人あまりが水道のない生活を強いられた。
2018年7月7日の朝、浄水場がある吉田地域では1時間に74ミリの非常に激しい雨を記録。浄水場は谷にあり、崩れた土砂や流木は周辺に整備された4つの砂防ダム全てを乗り越えて襲ってきた。