MGCで“2着以内” 明確な目標に向け-
MGCのコースは、国立競技場を発着点に東へ向かい、神保町を通って上野広小路で折り返すと、ここから周回コースとなり上野-日比谷間を2周する。その後は小川町を経て大手門でターンし、靖国通りを西にひた走り、再び国立競技場を目指す。ほとんどがフラットだが、折り返しが多いのが特徴で、終盤37キロ付近からは約3キロの上りが待っている。
鈴木選手の印象はどうか。
「折り返しの時は、一度ペースを落として、折り返したらまたペースをあげてというストップ&ゴーみたいな感じなので、結構足は使うと思います。折り返しが多いのは、後半に響いてくる要素でしょう。ですから最後の上りもそうだし、30キロ過ぎてからは大事な部分だと思います」
大切になってくることは2つあるという。
「レース展開を、どういう風に自分が進めていくのかということと、自分が本当に『行ける』というところを見極められるかというところです」
山あり谷あり、歓喜と苦悩の混在する濃密な時間を経て、いよいよ目前に迫ったMGC。鈴木選手の脳裏に浮かぶのは、7位に終わった前回大会のことだという。
「4年前のMGCでは、やはりオリンピックに出られないという結果を突きつけられたという悔しい思いが自分の中にあったので、4年後は絶対MGCで活躍したいという思いはありました。あの日からオリンピックを意識し始めたと思います」
だから目標は明確だ。
「スタートラインに立った時に、どれだけ自分が後悔なく準備ができたかというところである程度の結果は決まってくると思います。まずは万全の状態でスタートラインに立つ。本番当日は2着以内、貪欲に狙っていきたいと思います」
65人の国内トップランナーが、一発勝負でパリ行きの切符2枚を争うMGC。“マラソン日本最速ランナー”が、もう一度輝きを取り戻すことができるか。
スタートから約2時間後、東京、千駄ヶ谷の国立競技場に飛び込んでくる、あのはち切れんばかりの“健吾スマイル”を、ファンは首を長くして待っている。