“良い感じに面倒くさい主人公”こと「悦ネエ」を演じる上で
今年5月に松山東高校を訪れた櫻木優平監督。本作についてこう語っていました。
櫻木優平監督
「(原作小説は)“日常系部活もの”のはしりのような作品として、色あせていないなと思っていて、現代劇に変えてはあるが、原作のみずみずしさのようなところは損なわないようにしました。
CGアニメで作ったことで、手描きのアニメと実写の中間くらいの表現になっていると思う。結構話が渋いので、そこでアニメ的な華を持たせて良いくらいかなと」

また、主人公・悦ネエについては。
櫻木優平監督
「良い感じに面倒くさい主人公になったと思う」
――そんな一癖ある主人公を演じる上で、雨宮さんが意識したこととは。

雨宮天さん
「悦ネエはいろいろなことを諦めて無気力になっている。でも諦め切れてもないから、ちょっとムカムカするとか、人の言葉がすごくうるさく感じるとか、そういう部分があると思ったので、基本的には無気力なんだけど、その中でもどうしようもない、苛つきみたいなものをかなり繊細に込めていくというのを意識しましたね。
悦ネエはそんなに大きく感情表現するタイプではないので、でもやっぱり彼女の中にもいろいろな思いがあるということが(作中の)一つ一つの言葉で紡がれているなと思いました。
だから大きくは表現しないけど、でも確実に彼女の中にある気持ちや、心境の変化とか、そういうものをかなり集中して繊細に乗せていくということを大切にしました」

――演技について、櫻木監督からの要望は?
雨宮天さん
「映画全体がかわいらしい絵柄なので、私の中では若くというか、女子高生らしくやった方がいいのかなと思ったんですけど、(櫻木監督から)私の印象よりもよりダウナーに、無気力に、暗めにというディレクションをされた覚えがあって。
だからアニメ感というよりは、本当にそこにいる1人の人間を演じる、リアルさみたいなものを追求しているのかなと感じましたね」