(おらが大槌夢広場代表 神谷未生さん)
「語り部さんの練習として、自分では伝わりやすいと思っていても相手にとっては分かりづらかったり、理解が進まない表現だったり、話の進め方もあると思うので、そういう意味で聞き役をしてあげてここ分かりずらいかも、とかいう指摘をする場は、チェックという意味ではなくあっても良かったかもしれない」

語り部の育成については釜石市が震災を伝えるための知識を誰でも身に着けることができる研修制度を独自に設けています。

一方、岩手県全体で見ると語り部育成の取り組みははじまったばかりで、震災語り部の高齢化や担い手不足が大きな課題になっています。

神谷さんは「若い世代にどう引き継いでいくかが震災伝承の鍵を握る」と話します。

(神谷さん)
「ただでさえ(震災を)経験した若い子ですら、“何を話していいか分からないから話さない”となっているのが、語り部を今後増やしていく難しさだと思っているもう少し気軽にいろんな人が話せる場づくりが必要だと思います」

語り部の最も大切な役割は、聞き手に災害から自分の命を守る意識をもってもらうことです。
一方で人の命に関わる話をするという重責で、担い手の減少が危惧されます。
行政による語り部のサポート体制の構築はもちろん、私たち一人ひとりが震災伝承の課題に向き合い、考えていくことも必要です。