岩手県釜石市の人形劇団が10月、4年ぶりとなる公演を行いました。メンバーは90代の4人をはじめ全員が高齢者。健康や体力に不安を抱えながらも公演に臨んだ理由とは。
「コンコンコン、稲荷大明神~」

10月15日、岩手県大槌町の吉里吉里公民館で上演された人形劇。
黒衣と頭巾姿で人形を動かすのは、釜石市で活動する「生きがい人形劇団 どっこいしょK(ケー)」です。

「どっこいしょK」は、高齢者の学びの場として設置された、岩手高齢者大学釜石校で人形劇を学んだメンバーにより1991年に結成されました。
これまで保育施設や小学校、健康をテーマにしたフォーラムの会場など、県の内外で公演を重ねてきました。
メンバーは全員が高齢者。70歳以上が8人で、90代も4人います。最高齢は座長の千葉勝美さん。97歳です。
(座長 千葉勝美さん)
「私ははじめから居ります」

人形劇はコロナ禍で2019年以降休止状態でしたが、震災後大槌町を支援している千葉県の団体との交流会での演目の一つとして、上演が決まりました。
公演時間はおよそ40分。稽古中は汗を拭い、時折座って休憩しますが、人形を動かす手はほとんど止まりません。
その人形を持たせてもらうと…

(甲斐谷望キャスター)
「難しい~(重いでしょ?)結構、支えている手が重いです。(でもかわいいでしょ?)愛着わきますね(そうなのそうなの)」
年齢を重ねたことで健康面や体力面での不安が顕著になるなか、それでもメンバーたちが人形劇に取り組む理由とは・・・
(事務局長 小野寺省三さん)
「4年前は80歳だったんだけど、今84歳になった。物忘れが激しくて大変なんですけど、せっかく要請がありましたので、それに応えようと老体にムチ打ちながら稽
古しています」
(臼澤幸子さん(94))
「(人形劇は)生きがいですね。それから前を向いて歩きなさいっていう指針です」