実に4年ぶりとなる公演で演じるのは、会場の大槌町吉里吉里に伝わる民話をもとにしたオリジナル作品、「吉里吉里坂のきつね」です。
吉里吉里坂に現れる村人にいたずらをしたりだましたりする古狐を懲らしめるため、村人のなかでも賢いと評判の勘三が勝負を挑むという話です。
登場する人形は20体ほどで、収録したセリフと音楽に合わせかわるがわる動かします。
生きているかのように手足を動かす人形は発泡スチロールを土台にしたもので、全て劇団立ち上げの頃に当時の団員が手作りしたものです。

釜石市内のビルに保管していたこの人形は、2011年の東日本大震災で津波に流されました。


見つかった人形の泥汚れを落とし、「どっこいしょK」は、震災4か月後には公演を再開。人形は現在も使われています。

迎えた公演当日。てきぱきと準備が進められます。

「苦しい、苦しい、まいった!」

稽古以上の大きな動きで人形を操るメンバーたち。
テンポよく進む話に会場からは笑いも。
劇が終わると大きな拍手が送られました。

(座長 千葉勝美さん)
「高齢者集団ですから腰が痛いとか大変ですけれど、若い人たちも勧誘して続けていきたいと思っています」

震災を乗り越え、コロナ禍も経て公演を成功させた「どっこいしょK」。
メンバーたちの生きがいとなっている人形劇は、見る人に大きな力を与えてくれます。