《飼い主と愛犬が“一緒に過ごせる”終の棲家を…》

『逢犬はうす』では、季節ごとにイベントを開催。活動のための資金を集めたり、愛犬との思い出や介護の話をしたりするなど、交流の場を設けています。

出店する10店舗の収益の1割に加え、バザーの売り上げのすべてが、犬たちの医療費に充てられます。

愛犬を託した飼い主が、その後亡くなってしまい、犬だけが残されるなどした場合にも使われます。イベント会場には、宮西さんらの支えで、愛犬を看取った人たちの姿もありました。

利用していた飼い主
「2年9か月預かってもらい、19歳8か月までがんばってくれた。宮西さんとスタッフのおかげです」


利用していた飼い主
「自分の手から離してしまう時って、罪悪感があると思うんですけれど“そんなに頑張らなくても大丈夫だよ”って、宮西さんから言っていただいて」

利用していた飼い主
「看てもらって、助かりました」

宮西雅子さん「あのときねぇ…思い出して、すぐ涙ぐむから」

宮西さんはいま、老々飼育の現実と向き合うために、あるプランを練っています。

『逢犬はうす』を運営する宮西雅子さん
「実は、飼い主さんも一緒に住める保護施設を作れればいいなと思っていて。そうしたら、泣きの涙で愛犬を置くことはなくなる。いま、そのための事業計画をコツコツと作ってる最中。来年には作りたい」


飼い主と愛犬が、共に歳(とし)を重ねる時代。宮西雅子さんは、老いの先にある、新しい“終の棲家”を作ろうと活動を続けています。

《愛犬を飼い切る責任…どう“老々飼育”に備えるか》

堀啓知キャスター) 
 もちろん最後まで”飼い切る責任”は大切なんですが、ペットが傍にいることで、心が満たされたり、生きがいにつながったり…。高齢になって一層、動物たちの力が必要になるんじゃないかとも思えますが“老々飼育”という厳しい現実の前に、しっかり備えることが大事だということですね。

森田絹子キャスター)
 今回、取材した『逢犬はうす』と同じような、いわゆる“老犬ホーム”と呼ばれる施設は少しずつ増えています。ただ、費用面から利用が難しいことも考えられ、そうした場合、動物を託することができる相手を見つけておくことは大切です。

そして、愛犬がどんな性格で、ワクチンを接種しているかなどを記した、ペットのエンディングノートも用意しておくことが、大切とのことです。

堀啓知キャスター)
 家族や友人、老犬ホーム。大事な愛犬を託せる先を見つけておくことも、最後まで飼い切るという、飼い主の責任ではないでしょうか。