人も犬も長寿になる中、いま"老々飼育”という、厳しい現実が広がっています。どうすれば、愛犬の穏やかな暮らしを守れるのか。悩める飼い主を救う、取り組みを見つめます。

《17歳チワワと90代飼い主…広がる“老々飼育”》

『逢犬はうす』を運営する宮西雅子さん
「これから連れて行きます…1週間ぶり、それでまた預かって」

 チワワのペコちゃんは17歳。人間の年齢では84歳の老犬です。飼い主のもとへ帰るのは1週間ぶりのこと。ペコちゃんは、札幌で活動する『逢犬(あいけん)はうす』が送り届けます。介護が必要になった高齢の犬たちを預かる団体です。

飼い主はいま90代。食が細くなったペコちゃんに、食事を用意し、おむつを交換することが難しくなりました。

『逢犬はうす』を運営する宮西雅子さん「なにペコちゃん、おうちいいの?よかったね」

90代の飼い主は、1週間単位で『逢犬はうす』にペコちゃんを預け、2、3日を自宅で一緒に過ごす。そんな“老々飼育”の暮らしが続いています。

 今から9年前の2016年、札幌・北区に宮西雅子さんが『逢犬はうす』を立ち上げました。朝から夕方まで預かる犬もいれば、1か月単位のショートステイ。そして、年老いた犬が最期のときを迎えるまで、終生預かるケースもあります。現在、30頭ほどを預かっています。

『逢犬はうす』を運営する宮西雅子さん
「ペコおはよう。あいちゃん大丈夫?」「あいちゃんの飼い主は、お父さんもお母さんも高齢で、世話がきつくなっている、
あいちゃんに徘徊されて」