現社長は息子…世界を飛び回っていた父に「ずっと憧れて生きてきた」
(高木愛子さん 72歳)
「新幹線に乗って、家族連れとか夫婦を見た時に、『私はああいうことがないんだな』って悲しかったのを思い出します。飛行機事故って犠牲者がすごく多いと思うので、もうこういう事故はなくしてもらった方がいい」
愛子さんが懸命に守り続けた会社は、10年前から長男の智英さんが継いでいます。
(長男の智英さん 46歳)
「台湾で製造しているハンドルなんですけど、30年以上のロングセラー品で、父親の代からスタートしているので、思い入れのある商材。事故が起きた日も、これを作っている業者の商談に行った帰りでした」


現在46歳。父親が亡くなった歳を超えました。息子の翔英君は中学3年生の14歳。自分が父親を失ったのと同じ歳ごろです。
(長男の智英さん)
「子どもの時に見ていた父親像は、前向きで世界に向けて飛び回っていたイメージで、ずっと憧れて生きてきた。子どもに対しても接し方を考えながら、いろいろなことをしてきてくれたので、私もしてきてもらったことは返したいと思って、子どもと接しています」


智英さんが社長になって扱うようになった製品が。
(長男の智英さん)
「黄色いチェーンの枠で囲われたところが“航空に向けた材料”になっています。厳しい管理の中で、“航空スペック”という物の中に入れて、管理しています」
航空事故は二度と起きてほしくない。素材の面から『安全を支えたい』という思いも。
ことし1月、羽田空港で起きた衝突事故。旅客機の乗員・乗客379人は迅速な避難で奇跡的に全員無事でした。

