10月、新潟県長岡市の農家・中村文和さんの田んぼでは、来年のコメ作りに向けて堆肥を撒く作業が行われていました。

堆肥の色が黒いのは、コメを丈夫にし暑さ対策にも効果があるという燻炭が入っているから。岩塚製菓ではコメを「洗ってとぐ」従来の工程から、環境への負荷が少ない「削って磨く」工程へのシフトを始めていて、今回の堆肥にはとぎ汁ではなく、コメの削りカスが使われています。
ホーネンアグリによりますと、とぎ汁も削りカスも同じように微生物の働きを活発にする効果が期待できるということです。

ナカムラ農産 中村文和 代表取締役
「今年は皆さん感じたと思うが猛暑の中で、コシヒカリが一等米比率が低かったということもあって、このNサイクルプロジェクトで、きょうはコメの削りカスと燻炭入りの堆肥をまいたわけだが、それを利用することによって暑さに強くなるかどうかも試してみたい」

農業の中でも特にコメ作りが盛んな長岡市では、全農業産出額のうちコメが占める割合は79%と多くを稲作に頼っています。その分、この夏の猛暑や雨不足は大きな痛手となりました。
ナカムラ農産 中村文和 代表取締役
「長岡に限らず新潟県はやっぱりコメどころなので、その中でも長岡独自のコメ作りのやり方を今、Nサイクルプロジェクトを通してスタートしたんじゃないかなと思っている。長く続けていい結果を出して、長岡だけではなくて『新潟のコメ全体がおいしいんだよ』と、さらに全国に広まればいいかなと思っている」

コメのとぎ汁や削りかすを活用して作られた堆肥について、実際にどのような効果があるのか土壌のデータの解析には数年ほどかかるということですが、コメどころ新潟にとっては可能性を感じる取り組みになりそうです。地域の農業を守り、次世代へとつないでいくために…「田んぼ」を舞台にした挑戦が始まっています。