県動物愛護センター 木田伸一センター長
「人に慣れさせるトレーニングをしている部屋です。例えば『白玉ちゃん』なんかは、シャーって言ってますね」

かつては人を噛んだり、ひっかいたりしてくるような警戒心の強い猫は、すぐに殺処分になっていたといいます。
警戒心を和らげるには環境になれさせる時間が必要ですが、センターには行き場を失った猫が次々とやってきて、職員で対応するには限界がありました。

そんな状況に変化をもたらしたのが、子猫を世話するボランティアの存在です。

「結構でかくなったね」
この日、小千谷市の家庭で育てられた子猫がセンターに戻ってきました。

3時間おきに授乳が必要な子猫は、センターの職員だけでは面倒が見切れず、多くが殺処分となっていました。しかし、生後間もない猫を一時的に預かり育てる『ミルクボランティア』という制度を7年前に始めました。すると、制度開始前の2015年に28.5%だった処分率が昨年度=2022年度は5.2%と、子猫の殺処分は大幅に減ったのです。

ミルクボランティアの女性
「大人になって、幸せになってもらいたい。『ここで命を終わらせてはいけない』と思うから、頑張るときは頑張ろうかなと」

センターの職員はこれまで子猫にかけていたエネルギーをおとなの猫に使えるようになり、1匹ごとに担当を付けられるようになりました。

県動物愛護センター 木田伸一センター長
「成猫の順化に力を入れるようになったら、譲渡できる成猫が増えて、成猫の譲渡率もあがってきた」