5月28日、川崎市で開かれためぐみさんとの再会を誓うコンサート。早紀江さんは、めぐみさんの同級生が奏でるバイオリンの調べに静かに耳を傾けました。

【早紀江さん】
「めぐみちゃんがこれを聴いたらどんなに喜ぶだろうなって、いつも思いながら。音楽が大好きな子でしたので…」

そして口にしたのは「拉致問題と真剣に向き合ってほしい」という、政府へのやるせない思いです。

【早紀江さん】
「こんな四十何年なんて、言いたくもないような年月。本当に姿も声も聞こえない、どうなっているのかも分からないっていうようなことがね、たくさんの人がそんな状態であるという日本は、本当に恐ろしいことになっているなと思いましたね、私は…。(日本は)弱い」

翌日の5月29日。東京で開かれた国民大集会には、岸田総理や松野官房長官など、拉致問題に関わる数多くの政治家が参加しました。

【横田めぐみさんの弟 拓也さん】
「北朝鮮による日本人拉致事件を解決するのは、米国でもなく、国際社会でもなく、日本国自身の責任であると言えます。親世代の拉致被害者家族には時間がありません。このことを改めてこの場で繰り返し、静かなる怒りの気持ちを共にお伝えし、そして救出のお願いをさせていただきます」

「私たちは絶対に諦めず、声を上げ続ける」と、滋さんから拉致被害者家族会の代表を受け継いだ拓也さん(53歳)は力を込めて訴えました。

その後に登壇した岸田総理は、2002年に拉致被害者5人が帰国してから1人の被害者も取り戻せていないことに触れ…

【岸田総理】
「拉致問題は、岸田内閣の最重要課題です。拉致問題の解決のためには、国際社会の理解と協力を得ることが不可欠です」

安倍総理の代から続く「あらゆるチャンスを逃さない」という言葉を口にし、拉致被害者全員の帰国実現に向け、自らが先頭に立って取り組むことを誓いました。