北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさんの父、滋さんが亡くなり2年がたちました。滋さんの妻、早紀江さん(86歳)は「お父さんがいてくれたから真っすぐにやってこられた」と話し、娘を取り戻すため夫婦で闘い続けた日々を振り返りました。

6月3日、川崎市のマンションで、早紀江さんは私たちに1枚の写真を見せてくれました。滋さんの闘病中、病室で咲いていた植木鉢の花です。

【横田めぐみさんの母 早紀江さん】
「大きなプランターに入れ替えて…。そうしたらもう満開で、きれいな花が咲いています」

滋さんが亡くなった後も変わることなく、自宅のベランダで鮮やかな赤い花をつけているそうです。

【早紀江さん】
「『お父さん、頑張るからね』って毎朝(写真に)話しながらお茶をあげたり、『お父さん、こうだったんだよ』なんて言いながら(ご飯を)食べているんです。独り言を言ってね。続きのように『それでね』とかって言って、はっと話しかけそうになって横を見たら『ああ、いないんだ』と思って…。そういう時は、やっぱりものすごく寂しいものだなと思いますよね」

早紀江さんの夫・滋さんは2020年6月5日、老衰のため入院していた病院で亡くなりました。87歳でした。

【早紀江さん】
「ちょっとやそっとのことで絶対に、痛いとか、暑いとか、寒いとか、嫌だとか、否定的な言葉を絶対に吐いたことがないですね、お父さんはね。病気の時でもきっと痛かったかもしれないけど、痛いとかそんなこと絶対に言わないから、本当に忍耐強い人だったんだろうなと思いますね」

横田滋さんと早紀江さん。当時、新潟市で暮らしていた夫婦の闘いが始まったのは、今から45年前の1977年のことでした。当時、中学1年生だった娘のめぐみさんが、部活動を終えて家に帰る途中、忽然と姿を消したのです。

北朝鮮による拉致事件でした。

【早紀江さん】
「やっぱり”むごい”という言葉に尽きますし、本当にかわいそうだなって思いますよね。本当にもう飛び込んでいきたい感じですよ」