新潟県村上市にある三幸製菓荒川工場で6人が死亡した火災から3か月半。三幸製菓は5月31日に、ようやく初の記者会見を開きました。待ち望んでいた会見に、犠牲となった従業員の遺族は「やっと一歩前進した」と話しながらも、まだ納得できない気持ちを抱えています。
【三幸製菓 佐藤元保代表取締役CEO】
「申し訳ございませんでした」
遺族は再三、会見を求め続けてきました。
【佐藤元保代表取締役CEO】
「もう少し早く会見をすることもできたかもしれないと思っているが…」
死亡したパート従業員の遺族は、三幸製菓本社の別室で記者会見を見ていました。
【遺族の男性】
「今まで待っていた。やっと会見を開いてもらって、まずは本当に小さな一歩だと思っています」
【遺族の男性】
「社長があれだけしゃべったのは、今回が初めてだったと思うので」
今年2月、村上市の三幸製菓荒川工場で発生した火災では、清掃員を担当していたパート従業員の女性4人と男性社員2人が死亡しました。会見では、佐藤CEOが専門家による調査報告書をもとに出火当時の状況を説明し、三幸製菓がまとめた再発防止策も示しました。

調査報告書では、焼き窯の上にある乾燥機から出火したとみられることや、出入り口の防火シャッターが閉まっていたため、避難訓練に参加したことがなかった女性4人は、出入り口を発見できなかった可能性が示されました。
【遺族の男性】
「火事の原因とかは、三幸さんなりにだいぶお調べいただいているみたいですが、私もまだちょっと納得はできていないところとかは何点かあったので。避難された方から『そういったことはなかった』とお聞きしたことと、社長が『いや、していました』というところとの相違点がちょっとあったので…」

三幸製菓では、工場再開に向けて消防や労働局の検査も進んでいます。
【佐藤元保代表取締役CEO】
「工場再開につきまして、今のところ再開の予定日が決まっているものはございません。消防の方より立ち入りの検査をお願いしまして、ご確認をいただいた後に、全てのご遺族さまに報告を済ましてから再開予定日を決定してまいりたい」
佐藤CEOは31日の会見で、消防の検査が終わった後、遺族に報告してから再開予定日を決めたいと説明しました。

【遺族の男性】
「まだ再開は無理なんじゃないかと。まだ納得はしていないです」
【遺族の男性】
「このような大事故を起こしてもらいたくないので、本当に安全対策を万全に取った上で、工場再開の方は遺族側としては望んでいます」

火災をめぐっては、警察が業務上過失致死の疑いで捜査を続けています。遺族は、今後も丁寧な情報提供を三幸製菓側に求め続けるということです。