ドクターとランナーの二刀流へ。
しかし、中距離ランナーとしての可能性に挑戦すると意気込んだ矢先、けがに悩まされます。先が見えない不安でいっぱいになった広田選手を助けてくれたのは、1冊のノートでした。

【広田選手】「走っていないことによる不安というものが、すごく大きくなったときに『あ、夢日記書かなきゃ』と思いました」
目標への気持ちがブレそうになったときに書く『夢日記』で、目標を成し遂げた将来の自分を想像し、今の自分へメッセージを送ります。

書くことによって、今やらなければいけないことが整理できるそうです。実際にこれまでインターハイ優勝、医師免許取得という夢を実現させてきました。
夢日記を通し、改めて目標が明確になりました。けがを乗り越えて迎えた4月、復帰レースとして「兵庫リレーカーニバル」に出場。
【広田選手】「正直、今までにない冬季シーズンを過ごして、気持ち的にもまだ未知数。自分で自分が分からない状態でのシーズンインだった…」
去年6月の日本選手権以来、およそ10か月ぶりのレースでしたが、見事に優勝。

【広田選手】「みんなと争えたり、800mという試合に出ることがどれだけ素晴らしいものか、自分にとって大切なものかっていうのを、身に染みて感じた。けがの期間だったので、今年はそれを味わいながら、肌で感じながら、より一層勝負を楽しめる年になるんじゃないかなというのを勝手に思っていて、そういう面で、勝ちにこだわりつつ、それを楽しみにしたい年です」

けがを経験して感じた、走ることへの喜び。それをかみしめながら、今シーズンは日本一になった自分に会うため、夢への道のりを駆け抜けます。
【広田選手】「地元で日々応援の言葉をかけてもらいながらやれるっていう環境って素晴らしいなとを改めて感じているので、1人で戦っていない、みんなで戦っているんだっていう気持ちで大舞台に、この800mを全身全霊で楽しむぞっていう気持ちでスタートに立てたらと思います」
