“症状を訴える人”は高齢に…

2022年12月末現在、のべ2715件が申請されていて、このうちおよそ6割にあたる1544件が棄却されています。

1月24日の裁判では被告側の証人として、県の水俣病認定審査会で会長を務めていた新潟医療福祉大の西澤正豊学長が証言台に立ちました。

原告側が感覚障害などを訴えることについては、「自覚症状であり、客観性に乏しい」「経験上、水俣病と別の神経疾患は区別できない」とし、感覚障害だけでは水俣病だと断定できる証拠にはならないと述べました。

提訴から9年―
150人の原告のうち26人が判決を待たずに亡くなりました。原告の平均年齢は74歳になり、施設に入る人や歩くのが困難になった人も増えています。


皆川栄一さん
「一日でも早く解決をして、亡くなられた原告の皆さん、そしてまた本当に悔し涙を流しながら、入院したり施設に入ったりしておられる皆さんに『裁判終わったよ』と報告してやりたい」


第5次訴訟 弁護団事務局長 味岡申宰 弁護士
「公害健康被害補償法とは別の、全員が救済できるような新たなシステムを作ってもらいたいなと。そのためになんとしても新潟でも良い判決をとりたいと」

残された時間は、刻一刻と少なくなっているのです。