生まれながらに水俣病を発症する『胎児性水俣病』の患者として新潟県内でただ1人認定されている古山知恵子さん(60歳)。
水俣病によって、手足の自由と“言葉”を奪われた古山さんは、こう訴えます。
「私をこんな体にしてくれてどうしてくれるんですか。責任を取ってください」
新潟水俣病の公式確認60年の式典に出席するため、古山さんは5月31日、タクシーに乗って2時間前に会場へ到着しました。
実は、古山さんが新潟水俣病の式典に出席するのは初めてです。
1人暮らしをするために今、障害者施設に入所しながらリハビリに励んでいる古山さん。コミュニケーションは筆談で行います。

― どういう思いで式典に臨まれるのかを教えてください
「未だに水俣病が終わっていません。私のことも終わっていません。その中で今回の式典の話がありました。私も出ることはすごく悩みましたが、水俣病のことを忘れないでほしい。誤解や偏見をなくしてほしい」