原発を巡る“条例に基づく全国初の住民投票” 旧巻町は…

〈黒崎貴之キャスター〉
経済界などからは「原発は国策だから県民投票はなじまない」という声も上がっていますが、過去に新潟県内では原発をめぐって条例に基づく全国初の住民投票が行われました。

新潟市の郊外に位置する旧巻町。
ここでの原発建設を是とするか、非とするか…町民が意思を示し判断されました。

当時の町長、笹口孝明さん(77)は「1人1人が自分の意思で票を入れた。『町の将来、自分たち自身の将来を決めた』と満足感と誇りを持てた」と振り返ります。

東北電力が1971年に発表した巻原発の建設計画について、笹口さんら町民有志は町民の意思を確かめようと『住民投票を実行する会』を立ち上げました。

1996年1月の出直し町長選で、笹口さんは住民投票の実施を公約に掲げ、当選しました。

同年8月に行われた条例に基づく全国初の住民投票には、有権者のおよそ9割が投票し、結果は反対が60%。原発建設に「NO」を突きつけました。