2km走る = 未知の領域へ


マラソン5日前の10月4日、春香さんのお母さんから、当日のゼッケン引換証を見せていただきました。


今回の新潟マラソンから、年齢や障害の有る無しに関わらず参加できる「ユニバーサルラン」が新設され、春香さんの夢が早くも現実になったのです。


古町十字路から萬代橋の間の往復2kmを、時間内であれば自由に走れます。春香さんは迷わず参加を決めました。母親の由美子さん(58歳)は心配が先立ったものの、娘の意思を尊重しました。


【母・由美子さん】「まさかまさか、新潟シティマラソンに走りたいと言うとは思っていなくて、正直びっくり。じゃあ私が車いすを押そうかと言ったら『ダメ!(歩行器で)自分の足で走ってみたい』と言われて…。頑固なんだよね、結構。こうと決めたら真っすぐだからね」


春香さんは、家でも自分なりにトレーニングを続けました。
靴下を履く動作も、体のバランスを保つ練習になります。


【川崎春香さん】「右足だけ床までつかなくて…。つこうと思ってももの筋肉を伸ばそうとおもってつくんですけど、床につこうとした途端に足がしびれてしまうので」


目指すのは、楽しく自分の足でゴールすること。
靴は長年愛用してきたものにしました。


【母・由美子さん】「走れればいいね、本当にね」


【川崎春香さん】「走れればいい、本当。それだけが願い」


そしてついに迎えたシティマラソン当日。
午前9時になり、小さな子どもや車いすの人らが思い思いにユニバーサルランをスタート。少し遅れて春香さんも、未知の距離・2kmに向かって走り出しました。