こうしたなか民間では、ダブルケアに対するサポートが進んでいます。
医療専門職による日本初のダブルケアラー支援団体『DC NETWORK』の代表で、帝京大の助産学専攻科で教鞭を執る寺田由紀子さんに伺いました。

「当時、医療職である私達でもダブルケアっていうのは多分ほとんど聞いたことがない状況でしたので、ダブルケアラーの皆さんの家族背景とかを踏まえた上で、医療職が支援する必要性があるというところを感じ、団体を立ち上げた次第です」
設立4周年となる『DCネットワーク』では月1回、助産師・保健師・看護師などの医療専門職が、オンラインによる全国からの相談を受け付けています。

「『逃げられないんです』っていう言葉で表現をされる方もおられます。負担が1人に集中せずに、分散して少しずつ減らしていけるような体制や支援作りが必要…」
寺田さんは、縦割り行政でダブルケア専門の窓口がない支援体制にも課題があるとした上で、育児や介護を支援する地域団体と行政との協力が大切とも話します。
「地域の支援団体に自治体が補助をすることで、地域の皆で支援していこうという動きをどんどん活用していくことも、課題解決に向けた大きなものではないかと」