豪雨災害に襲われた新潟県の被災地では、お盆期間中も復旧作業が続きました。合間を縫ってお墓参りに訪れる人、ボランティアの助けを借り人とのつながりに感謝する人など…。いつもと違う被災地のお盆です。
多くの住宅が浸水被害を受けた村上市坂町にある本傳寺では、復旧作業が続く中、多くの家族連れが、お墓参りに訪れていました。
「いつもは夕方に来るんだけど、早めに来て先にお墓参りを済まして、またうちの方の水害の後始末だ」

「復興なり、そういうことを後押ししてくださいとお願いして…」
本傳寺も、境内が浸水する被害を受けました。お墓には大きな被害はありませんでしたが、境内に土砂などが堆積したため、お盆を前に復旧を急ぎました。
【本傳寺住職 光林靖秀さん】「皆さんがやっぱり気持ちよくお参りできるようにということで早急に片付けをさせていただいて…。皆さん気持ちよくお参りしていただけているようで安堵しています」

関川村でも、お盆休み返上で復旧作業が続いていました。
高田集落に住む須貝圭介さんの住宅も、浸水被害を受けて車も流されてしまいました。
【須貝圭介さん】「本当にあの…まぁ生きている以上、皆と人の繋がりで生きているっていうことを改めて感じました」
涙ながらに話していた須貝さんのもとには、14日にも6人のボランティアが駆け付け、床下の泥を吐き出す作業を手伝ってくれました。中には、東日本大震災の時の恩返しに、と茨城県から駆けつけたボランティアもいました。
【ボランティア】「3.11の時、僕が小学校6年生だったんですけど、その時に家中の瓦がみんな落ちちゃったんですよね。自分たちも災害体験者って言うか、その時に助けてもらったのでその恩返しですね」

厳しい作業が続きますが、休憩中には須貝さんやボランティア人々の間にも、笑みがこぼれます。
【ボランティア】
「びっくりしたのは、笑顔と涙しかないっていうね」
「明るいんですよ。現場がね、ものすごい明るい」

【須貝圭介さん】「高田集落だと例年お盆の時期にはお祭り、盆踊りやカラオケ大会などしておりますので、今年は全く違う。そしてボラティアの皆さんも同じように、このお盆を返上して来てくださっているので、本当にありがたい気持ちでいっぱいです」
人との繋がりのありがたさや温かさを強く感じるお盆となったようです。