3年前に震度6強の地震に見舞われ、今回も大雨の被害に見舞われた村上市の山北地域で、度重なる災害にも負けずに再起に向けて片付け作業を行なうパン店がありました。
村上市山北の「パン工房マルサ」。3日からの大雨で、売り場には床から50センチ程のところまで濁った水が流れ込み、店内にあったベンチや冷蔵庫なども水に浸かりました。4日から片付けに取り掛かった店長の斎藤靖さん(59歳)は「自然のことは仕方ない」と現実を受け止めます。
3年前に山北地域が震度6強の地震に見舞われた時は、靖さんと智恵子さんは自宅の復旧作業に追われていました。
【パン工房マルサ 斎藤靖さん】「地震もそうだし、水害もたまたま、うちへ来たんだろうけどね」
一緒に店を切り盛りする母の智恵子さん(86歳)とともに、作業を続けます。
【パン工房マルサ 斎藤智恵子さん】「これも私の人生かな、誰も恨むことはできないし…」
【記者リポート】「こちらの倉庫のスペースは、午前中に洗剤を使いおよそ2時間かけて磨きました。衛生面のためにも他のスペースも同じようにしなければならず、店の再開は重労働です」

大雨で被害を受けた店舗の床や作業台などを洗浄し、使えなくなった小麦粉などを処分。消毒や機械の点検もしなければなりません。時間のかかる作業ですが「お盆前には店を再開できれば」と、靖さんは話します。
【パン工房マルサ 斎藤靖さん】「だってまだ借金あるしね、ハハハ。返済しながらちょっとずつでもやってかないとね。2人しかいないし、とりあえず頑張ろうと」
【パン工房マルサ 斎藤智恵子さん】「地域のみなさんが手伝ってくださったし、やっぱり人は大事にしておかないと」

相次ぐ自然の脅威を乗り越えて、地域においしいパンを届けられるよう、心を奮い立たせます。