あまりに多すぎる稚貝のへい死 “100億円産業”の陸奥湾のホタテ養殖にひびく大きな問題

平均すると約8割の稚貝が死んでいました。本来ならばここから生き残った稚貝だけを選別して新しい養殖籠に入れるはずですが2023年はあまりに死んだ貝が多いため…。
後潟漁協 山口隆治組合長(76)
「(死んだ貝の)殻が入っている。これ以上選別できないので殻のまま入れている。近年は2月ごろにホタテが死ぬ。だから2月の段階でどのくらい生きているのか。また死んで空籠を上げないといけないかもしれない」
ホタテのへい死は養殖ホタテの水揚げ量日本一を誇る平内町でも起きていて、土屋地区の漁業者のなかには稚貝の5割ほどが死んだ人もいました。

被害の全容は11月6日から始まる県の実態調査で判明しますが、ホタテのへい死は陸奥湾の複数の漁協で確認されていました。稚貝は再び海で養殖して2024年春以降に出荷するため多くの漁業者がこれから収入の大幅な減少に直面することになります。これに加えて2024年の春先に産卵する親貝も各地で死んでいて、今後、親貝の不足によって新しい稚貝を十分に確保できなくなる恐れがあります。

後潟漁協 山口隆治組合長(76)
「かつてないというより、いままで経験したことない。将来的にホタテ産業が存続できるのかどうか。途中でやめることになるか。それだけを危惧している」
100億円産業と言われている陸奥湾のホタテ養殖。記録的な猛暑による被害は2024年以降にまでひびく大きな問題となることは確実です…。












